SKE48 映画「アイドル」鑑賞記 10/22

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どうも、アライッペです。

SKE48のドキュメンタリー映画、「アイドル」を見てきました。

今日はその感想についてつらつらと述べたいと思います。

私はこの感想を述べるに際して、「ネタバレ」を避けることはできない(「ネタ」に触れずにちゃんとした感想が書けるわけない)と思っております。

そのため、以下はネタバレを含みますので、まだ映画を見ていない方で、ネタバレしてても構わない方以外はお読みにならず、映画をご覧になってから読んでいただけると幸いです。

感想に関しては、一回見ただけでパンフレットを含め手元に何も無い状態で書いていくので、思い出しながら箇条書きで、順不同で書いていきます。

まず、私自身はこの映画を見終えた直後、「厳しいな…」って思いました。

事前に、内容が「重い」とは聞いていました。

映画は、高柳明音の涙で終わります。10周年記念公演を終えた彼女は、純粋に「楽しかった」と思えなかった。なぜか出てきたのは悔し涙。

映画の始まりも高柳明音です。母となって子供を連れてきた元同僚の古川愛李との再会シーン。彼女を見て高柳は「こういう人生(ある程度の年齢でアイドルを引退して、結婚して母になって)を歩むこともできた。でも私は今もアイドルを続けている」というようなニュアンスの言葉を発します。映画の最後でも、「SKE48という『恋人』と付き合ってきて、これから先もこれを超える恋愛は無いだろう」と自分をたとえます。

アイドルに人生を捧げてますよね。そこまでの覚悟がないと、今のグループの位置、今の彼女の位置までたどり着けない。

もちろん大所帯グループですから、全員が全員そこまでの覚悟を必要とするとは思いません。でもグループを引っ張る中心メンバーはそのくらいでないとダメなのでしょう。

おそらく彼女自身も、「今ならまだ引き返せる」という瞬間はあったと思います。ただそれを選択しなかった。もう後戻りはできないから突っ走ってる、止まれないんだという思いもあるかもしれません。

そんな彼女の姿に、私は悲哀を感じました。芸能界というのは華やかな世界ですから、そこで活躍するには当然失わなければいけない「代償」もあると思います。だとしても、それがわかっててもそれでもなお感じる悲哀。

と同時に、私個人の感想ですが、ここ最近の高柳明音、特にチームK2のリーダーが大場美奈に代わって以降の彼女は、あまり前に出る、上に立つような姿を見せることは減ったように感じていました。

だから少しだけ、映画での彼女に対して違和感を禁じ得なかったです。「こんなにSKEのことを想ってるのに」という姿に、昔ほどの説得力を感じなかった(裏ではめっちゃSKEのために動いてるのかもしれないけど)。

なので私は、昔みたいにもっと熱いちゅりが見たいです。後輩ともっと絡んでほしい。

チームK2の「赤」は高柳明音の情熱の「赤」だと思ってるから…

映画の中で、今のSKEの目標を「再び、ナゴヤドームに立つこと」と明言しています。

メンバーは「10周年でそれができたら最高だね」と、昨年あたりから今年に照準を合わせて活動してきたようです。

ですが、結局それは叶いませんでした。最後まで、「10周年記念公演でナゴヤドームライブ開催のサプライズ発表」を期待してたメンバーもいたようです。

私は、これは焦らなくてもいい、と思います。SKEは一度ナゴヤドームで単独ライブを開催しています。その時は人気はまだピークアウトしていなかった。だから客は埋まりました。でも、評判はあまり良くなかった。

見切り発車をしたり、「見栄」でナゴドライブを行ったりしても、得るものより失うものの方が大きいです。

若手のメンバーに、まだ「経験」が足りないですよね。やっぱり、もっとライブをやらなきゃ。劇場公演だけでは足りません。

劇場公演というのは、ファンにとってもメンバーにとっても大切なもので、ある意味支えであったり、帰る場所であったりもします。

ただ、そのようにあたたかく迎えてくれる場所であるからこそ、甘えも生じてしまいます。

それに、公演は基本的には他チームのメンバーと混ざりません。大きなコンサートでメンバー全員が参加することで初めて全体の連帯感、一体感が生まれます。だから大箱のコンサートをもっと行って、経験を重ねなければいけない。

ここ最近のSKEのライブは、メンバー選抜型でない全員参加型のライブにおいては、SSAからガイシ、美浜、ラグーナなどを経て、極力メンバーの出番を偏らせないように調整していると感じます。これは全員参加の意識を強めるため、メンバー全員にステージに立つ自覚とプライドを持ってもらうためのように私は感じます。

映画のワンシーンで、メンバーの鎌田菜月が後輩(大芝りんか、石黒友月、深井ねがい)を説教する場面がありました。これは10周年リバイバル「手をつなぎながら」公演のリハ舞台裏だと思います。

準備不足、以前指摘されたことが直ってないというようなことを言われていたと思いますが、誰が誰を説教していたとかが問題ではなくて、つい最近、10月の頭に行われた公演でもそのようなことが起きたということは、やはりまだ高い水準でメンバー全員が一致団結してはいないのだろうな、と。

こういった経験をひとつひとつ積み重ねることによって、問題点を浮き彫りにしてそれを解消していく、その先にナゴヤドームでのライブの開催とその成功があると思います。

映画は主に今年、10周年イヤーである2018年のSKEを中心に作られています。そうなると避けて通れないのが「松井珠理奈」についてです。避けて通れないどころかメインのテーマでもあります。

ご存知の通り彼女はAKBグループの選抜総選挙で1位を獲得したものの、その直後から休養に入ります。

映画ではその前後から流れでこの件を取り扱っています。

結論から言うと彼女は総選挙の結果発表の後ではなく、その前から少しおかしかった。この10年間張りつめていた糸に、最後の同期であった大矢真那の卒業で綻びが生じ、総選挙で1位に「ならなければいけない」というプレッシャーでさらに追い込まれた。

総選挙開票前のコンサートで、ナゴヤドーム開催なのにセットリストにSKEの曲が少ないことにキレていた珠理奈。たとえ不満に思うことはあっても、あそこまで感情を露わにしてキレるというのは、やはりメンタルが不安定だったと言わざるを得ません。そんな彼女を見て「怖い」とさえ感じた後輩や他グループのメンバーもいただろう、と他のメンバーは言います。

そして開票の結果、無事1位になれたものの、それは彼女をプレッシャーから解放するには、手遅れだったのかもしれなくて。選挙後のバッシングも相まって、休養という結果に。

今、彼女はなんとか復帰をして、少しずつではあるもののまたファンの前に姿を見せています。

正直それは私は凄いと思いました。「このまま帰ってこない」っていう結末もあり得たと思う。

だから私が唯一、今回の映画の中で涙腺が緩んだのは、リクアワの「赤ピン」でステージに珠理奈が帰ってきた時。

正直に言うと私は別に珠理奈は好きなメンバーではないです。普通。それでも、やっぱりうれしかったよ、あの瞬間。

ただこの先、彼女はどうするのか。たとえば来年総選挙があったら立候補するのか。

おそらく、立候補したら「また壊れる」だの揶揄され、しなかったら「逃げた」と叩かれる。もし総選挙自体が無くなったら「珠理奈のせいだ」って叩かれるでしょう?どのように動いてもアンチはバッシングの準備を整えているわけです。

珠理奈を守る、ってのも11年目のSKEのテーマかもしれないですよね。

映画は他に、その「珠理奈不在」の間センターの座を守った須田亜香里のプレッシャーについても描かれています。彼女も、カメラの前で気持ちが不安定になり弱音や愚痴を吐きます(映画では語られませんが、そのシーンは「彼女の祖父が亡くなった直後」だということが後に明かされます)。

本当に、みんなメンタルが削られてて、やっぱりアイドルって職業はキツいなって思う。

翻って考えて、自分の推しメンが今アイドルを辞めずに続けてくれている、それだけで感謝だなって。映画を見てたら、いつ心が折れて卒業する子がいても全然おかしくないよな、と。

また、「後輩の成長」についてもテーマのひとつ。今のSKEにとって、中間でもあり中心でもあるのが「6期生」。その6期生が割とつい最近までは頼りなかったものの、今になってグループを引っ張る自覚が出てきたことが描写されています。

あれだけおバカ言われた北野瑠華は、急にカメラを向けられてもよどみなく話せるし、目上の人にも物怖じせず発言できる。

北川綾巴はチームSリーダーとして、言葉ではなく背中で珠理奈不在のチームを引っ張っていく。

6期生は温厚な子が多いから、リーダーシップを発揮するようなのは向かないといえば向かない。北川綾巴にしても、青木詩織にしても熊崎晴香にしても、優しさが前面に出ていて厳しい姿は想像できないけど、「優しさ」は「甘さ」とは違うものだから時には厳しく後輩を指導しなければならない。

そして、その彼女たちの姿を見て、お目付役だった松村香織も安心して卒業していける、と。

こんな感じで、思い出しながら映画の感想を綴ってみました。

正直言って、私の推しであるメンバーとドラフト一期生は思った以上に出番がなかった。

ただ、それは映画に対する私の感想や評価には含まれません。

全体の感想としては、冒頭で「重い」という感想をよく見ると書きましたが、私としては「明るくない」な、と。

あの映画を見て、「SKEの未来は明るい」とは、思いませんよね?

ただそれは、SKEヤバいとか、終わるとか言ってるのではありません。

ツイッターの方で先行して、1行だけ感想を書いたのですが、「(女性)アイドルを成功させ、継続させるのって本当に難しいんだな」と思ったのが鑑賞後真っ先に頭に浮かんだことです。

それは、アイドルってのは人間であり、しかも若い女の子であり、あれだけメンタルを消耗する職業である、と。

それに耐えうる、押し潰されそうになっても踏み止まれる、あるいは潰れても復活できる、そんなメンタルの持ち主をオーディションの時点で見出すのはそう簡単ではない。

また、SKEのように何年も続けるには、継続的にそういう子を加入させ続けなければならない。

「かわいい」とか、「ダンスが上手い」「歌が上手い」だけじゃ全然足りないということ。

いま、数多の地上地下アイドルが乱立し、そしてそれなりに名を売ったアイドルでも続々と解散や活動終了の報せが入ってきています。

そんな中で、AKBグループはメジャーだからアンチが多く、目の上のたんこぶのように思われてるかもしれませんが、逆にAKBグループが終わったら、女性アイドル業界自体に可能性を感じることさえできなくなってしまう、そのように思います。一気に閉塞感が漂っていくでしょう。

「この子たちが終わったら、アイドルが終わる」

そんな風に思いながら、映画を見てました。

この映画を面白かったかと聞かれると何か違うし、もう一度見たいかというと、今はそう思いません。

でも、「心には刺さった」そのように思います。

それと、映画を見たら推しメンの顔が見たくなったよね。

「アイドルやっててくれてありがとう」

「あなたがアイドルを続けるモチベーションの0.001%にでも自分がなれるなら、私はあなたを応援し続けます」

それを伝えたくなりました。

アイドルは「青春群像劇」だ、なんて言葉を耳にしたことがあります。でも自分は、それを超えた「人間ドラマ」だ、と感じました。

明るい未来が約束されてない中で、それでも前へと進み、場合によっては自らが光となって道を照らしださなければならない、そんな彼女たちの応援をできる限り続けたい、とより一層思いました。

では、また次回…

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